絵の具でできる紫色の作り方は?濁った色になる理由&キレイな色にするコツ
絵の具で絵を書くとき、紫を使いたいけど持ってない...。
持っている紫の絵の具が、理想の色じゃない...。
そこで、赤と青を混ぜて紫を作ってみたけど、なんだか濁った色になった!
そんな経験はありませんか?
実は、絵の具で紫色を作るには、「出来るだけ他の色を含まない赤や青を使う」必要があるんです。
一体どういうことなのか、詳しく解説したいと思います!
目次
なぜ濁った紫色になってしまうの?
「絵の具で絵を描くときに、紫が使いたいけど、持ってない!切らしている!」
「紫の絵の具はあるんだけど、塗りたい紫とちょっと違う!」
そんなことってありますよね。
こんなときは、手持ちの絵の具を混ぜて、紫色を作る方法を考えると思います。
さて、紫色といえば、何色を混ぜると出来るかご存知ですか?
...そう!
「赤色」と「青色」ですね。
この混色は、多くの人が知っているのではないでしょうか。
ところが、実際に赤色の絵の具と青色の絵の具を混ぜてみると...。
確かに紫色にはなるけれど、なんだか黒っぽい濁った感じの紫色になってしまいます。
どうしてこのようになってしまうのでしょうか?
濁った色になるのは、黄色が混じった顔料が影響
これは、絵の具に含まれる成分が関係しています。
絵の具の色は、「顔料」という成分で作られています。顔料の原料は、鉱物や土、石油などさまざまです。
一般的な水彩絵の具やアクリル絵の具、油絵の具では、色を作るのに複数の顔料が混ぜられていることが多いんです。
そのため、たとえば「赤色」と書かれた絵の具でも、赤い顔料だけでなく他の色の顔料なども混ざっているというわけです。
ここで、「色の三原色」について考えます。
色の三原色の図は、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
全ての色は、
・赤(マゼンタ)
・青(シアン)
・黄(イエロー)
の三原色が元になっていて、これらを混ぜていくと色ができて、最後には黒になる、というものです。
この図でも、赤と青の混ざった場所は紫色になっています。
ここに、黄が混ざると黒になっていますね。
これが、赤と青の絵の具を混ぜると濁った紫になる原因なんです。
複数の顔料が混ざった絵の具だと、「赤色」と「青色」を混ぜているつもりでも、「黄色」が混ざってしまっていることがあります。
そのため、黒っぽい濁った紫色になってしまうんです。
キレイな紫色を作るコツは?
では、濁っていないキレイな紫を、絵の具を混ぜて作る方法はないのでしょうか?
先ほど、絵の具の色を作るのには、複数の顔料が混ぜられていることが多い、とお伝えしましたね。
実は、色を作るのにいろいろな顔料を混ぜるのではなく、一つの顔料だけを使っている絵の具も売られています。
このようなものを、「単一顔料」といいます。
単一顔料の絵の具は、質も金額も高く、どちらかというとプロ向けと言えます。
ただ、絵の具自体の発色はとても美しく、混色をしても余計な色が入っていないので、キレイな色を作ることができるのです。
つまり、キレイな紫を作るためには、単一顔料の赤と青の絵の具を使うと良いわけです。
ただ、顔料にはとてもたくさんの種類があり、赤色系の顔料もたくさんあります。そして、それぞれ少しずつ色が異なります。なので、赤系の絵の具も種類が多くあります。
なんと、赤系の単一顔料だけでも、10種類以上販売しているメーカーもあるんです!
青系も同じく、何種類もの単一顔料があります。
どの赤い絵の具と青い絵の具を混ぜるかによって、出来上がる紫の色味は大きく変わります。
絵の具の組み合わせだけでも、100パターン近く出来ますね!
また、絵の具の配合や含ませる水分の量、重ね塗りの程度によっても、紫の色を変えることができます。
作り出せる紫色は無限にあると言ってもいいかもしれません。これが、キレイな混色の楽しみです。
絵の具の世界って、実はとっても奥深くて面白いものだったんですね!
あなたの求める紫は、どの絵の具を混ぜれば完成するのでしょうか?
興味があれば、ぜひ色々な絵の具を買って、追い求めてみてくださいね。
まとめ
今回は、絵の具で紫色を作る方法について解説しました!
一般的な赤と青の絵の具を混ぜると、少し黒っぽい濁った紫になってしまいます。
これは、赤と青の絵の具に、いろいろな顔料が含まれているからです。
キレイな紫を作りたい場合は、一つだけの顔料で作られた「単一顔料」という絵の具の赤と青を使います。
赤い絵の具にも青い絵の具にも、10種類以上の色味が存在します。
いろいろな絵の具を混ぜてみて、理想の紫を作ってみるのも面白いですね!